梅雨の頃に清楚な純白の花を咲かせるクチナシは、花も実も香りも楽しめる鑑賞には格好の低木です。
果実が秋になっても口を開けないことから、『口無し』という名前が付きました。
日本では、飛鳥時代から黄色い染料として用いられ、また、毒性がないので、食品を染めるのにも使われています。
漢方薬としては山梔子(さんしし)という名が付いていますが、これは、実の形がそこの丸い酒盃(梔の木へんの無い字)に似ていることから付いた名前です。
成分は、ゲニポシド、ガルデノシド、クロシン、クロセチン、マンニトールなどで、近年、ゲニポシドを分解して、青い染料の原料が作られています。
身体をやや冷やす性質を持ち、苦味があります。
清熱燥湿、清熱解毒、などの作用があり、感染症や炎症、煩燥や黄疸、出血などに用いられます。